医療情報の収集では、文献検索が欠かせません。しかし正しい方法がわからないと、目当ての情報を得られないでしょう。正しい検索には、まずは準備が大切です。適切な準備を整えてから、文献検索を実践すれば、目当ての情報を見つけやすくなるでしょう。今回は医療情報の検索方法を知りたい方のため、正しい準備と方法をまとめました。これを読めば、適切な情報収集のヒントを得られます。

正しい文献検索には準備が大切

正しい文献検索には、準備が大切です。研究テーマを決めたうえで、先行研究を探すよう心がけてください。準備の有無によって、文献検索の成功の可能性が違います。正しい準備の仕方を、以下で確かめてください。

まずは研究テーマを決めよう

最初のポイントは、研究テーマの決定です。医療関係者の場合、業務内容に沿った情報収集を求められるでしょう。文献検索が必要になったら、まずは目的を明確化してください。文献を要する問題に対して、知りたい情報がテーマです。

たとえばワクチン接種では注射器が必要です。しかしなかには、体内に針を刺すことで痛がる方もいます。そういった患者さんにストレスなく注射したいと思った際に必要な情報は、痛くない注射器を開発することや、痛みを和らげるテクニックなどでしょう。解決方法によって、テーマが違う点を理解しておかなければなりません。たとえば痛くない注射器について研究するなら、それに関する文献検索をおこないましょう。事前にテーマを決めておけば、探すべき文献を明確化でき、検索もスムーズにできます。

テーマに応じて先行研究を探そう

文献検索をする場合、テーマに応じた先行研究を探しましょう。情報収集の目的によっては、それに合った既存の情報があるため、既存の研究を分析するだけで、解決方法がわかるかもしれません。やみくもに文献検索をするのではなく、先行研究を探すというスタンスが大事です。

先行研究は自身の持論の検証や、仮説の構築にもつながります。既存の情報に基づいて新しい考えを付け足すことで、重要な発見が生まれ、業務内容や患者の病気が改善することもあるでしょう。情報収集のテーマが決まったら、それに合う先行研究を検索してください。

文献検索の方法

ここでは文献検索の方法を紹介します。キーワード検索やオプション検索が主流です。また文献のデータベースによっては、マイページも活用できます。文献検索のやり方について、3つのポイントをまとめました。

キーワード検索

文献検索の一般的な方法が、キーワード検索です。決まった語句を入力すれば検索結果が出て、それに合った文献がリストアップされます。検索結果ではキーワードへの関連度だけでなく、新着順や発行年順などによる並べ替えも可能です。必要な情報に応じて検索結果の順番を入れ替えれば、目当ての情報が見つかるかもしれません。

検索結果を出したあと、さらなる絞り込みも可能です。たとえば結果に応じて、関連するキーワードを抽出できるため、もとの検索結果から、さらに文献を絞り込めます。ほかにも発行年や雑誌名、文献種別などによる限定も可能です。キーワード検索は、情報収集の一般的なやり方です。検索のあとは、文献の特徴を指定して絞り込めます。

オプション検索

オプション検索は、詳細な設定によって、文献を絞り込む方法です。キーワードだけでなく検索項目や条件、発行年などを決められます。複数項目の設定により、目当ての情報を見つけられる方もいるのです。

たとえばキーワードの入力だけでなく、検索条件も指定してみましょう。検索条件には「AND」や「OR」、「NOT」などがあります。たとえばANDは前のキーワードに加えて、別の語句を入力すれば、その両方を含んだ文献が検索結果に示されます。ORなら、指定キーワードのいずれかを含む文献が検索対象です。NOTなら前のキーワードを含む文献のうち、特定の別の語句を含むものが検索結果から除外されます。このようなテクニックを使いながら、最適な検索内容を設定してください。

一部サイトではマイページも活用できる

一部の文献所蔵サイトでは、マイページで関心のあるテーマを決められます。たとえばメディカルオンラインのマイページでは、特定の分野やキーワードの設定が可能です。痩身に関する情報をよく集めるなら、「痩身」というキーワードを設定しておきましょう。キーワードに関係する新着文献があれば、アラートメールで知らせてもらえます。以上から最新情報をとらえやすくなるでしょう。

また、メディカルオンラインのマイページでは、検索条件や閲覧履歴もチェックできます。文献検索の条件を登録すると、以後は同じ条件による調査が容易です。情報収集の頻度が多ければ、過去に見た文献に関して、閲覧履歴からアクセスできます。文献所蔵サイトにマイページがあれば、設定次第で情報収集を楽にできます。