PubMedは日本語で利用できる？パブメドを日本語表示する方法について解説

医学系文献検索のデータベースといえば、PubMed（パブメド）が最も有名ではないでしょうか。世界各国の学術情報を検索できる便利なツールではあるものの、米国機関の運営しているサイトだけあって、すべて英語で表示されます。医療従事者として医学英語はマスターした方がベターでも、スピーディーさを重視したい場面では日本語で検索したいと思われる方も多いでしょう。

そこで今回は、PubMedを日本語で利用できるのかどうか、日本語表示する方法はあるのか解説していきましょう。

論文は英語で読むべきか？

医学は日々進化し、かつて常識とされていたものが数年後には覆されることも珍しくありません。医療従事者にとって、常に最新の医学情報をキャッチアップすることは必須であり、そのためには英語文献の読み解きスキルが不可欠です。

情報収集と英語文献の重要性
現代の医学・科学情報は英語で発信されることが多いため、医療従事者にはある程度の医学英語に関する知識が必要です。主要な医学雑誌は英語で出版されており、最新情報をいち早く得るためには英語文献を読める必要があります。

効率的な情報収集のための検索スキル
文献検索スキルも重要です。必要な文献を素早く検索できなければ、時間ばかりかかってしまいます。文献検索の目的は、必要な情報を得て研究や臨床に役立てること、あるいは自身の知識をアップデートすることですので、効率的な情報収集のための検索スキルも必要になるでしょう。

英語文献の読み解きを効率化するツール
英語が苦手な場合は、翻訳ツールなどの便利なツールを活用しましょう。英語文献を日本語にすることで、読み始める際の心理的負担が減り、情報収集のハードルが下がります。

英語文献の斜め読み
英語文献での情報収集が習慣化すれば、翻訳なしで斜め読みできるようになっていきます。そこで次の章からは、外国語文献の検索に多用されるPubMedについて、日本語で文献を読む方法について紹介していきましょう。

PubMedを日本語で読む方法その1

英語文献を読むのが苦手な方でも、ブラウザの自動翻訳機能を使えば、手軽に日本語で読むことができます。
Safari、Google Chrome、Microsoft Edge などの主要なブラウザには、標準で自動翻訳機能が搭載されています。特に 動作の安定性 に優れているのが Google Chrome です。
数秒でページ全文を翻訳 できるため、英文と翻訳文を交互に確認しながら読み進めることができます。
手間をかけずに 最新の医学情報を日本語で取得できるので、忙しい医療従事者にとって非常に便利な方法です。

PubMedを日本語で読む方法その2

PubMedを日本語で読むためのサービスを利用するのもおすすめです。PubMedで日本語検索を可能にするサービスは数多くありますが、代表的なものは次のようなものがあります。

PubMedX

PubMedXは、エミュイン合同会社が提供している、PubMedの拡張機能です。無料でインストールでき、PubMedの文献タイトル・抄録を和訳する機能が追加できます。また、ページ全体をGoogle翻訳できるボタンも表示できるなど、使い勝手の良さが魅力でしょう。

具体的には、検索ボックスに日本語でキーワードを入力すれば、自動的に英語に変換され、検索されます。検索結果も、文献タイトルの下に和訳が追加で表示されるのでわかりやすいでしょう。インパクトファクターの高いものは濃い緑色に表示されるなど、翻訳以外にも便利な機能が追加されています。

医中誌Web

日本国内で発表される文献の検索に多く利用されているデータベース「医中誌Web」でも、2022年のバージョンアップによって、日本語でのPubMed検索が可能になりました。日本語でキーワード検索をすれば自動で英語に翻訳されて、検索が実行されます。検索結果は英語表示されるものの、「タイトル和訳」のボタンがあるので和訳タイトルを確認するのも簡単でしょう。

PubMed CLOUD

無料会員登録で利用できる「PubMed CLOUD」も、PubMedを日本語検索できるサービスとして人気です。検索ボックスに日本語でキーワードを入力して検索すれば、自動的に英語に翻訳されるほか、タイトルも日本語でチェックでき、気になる論文があったらアブストラクトを確認できます。頻繁に検索する検索式を登録したり、ダウンロードした原著を保存・管理できたりと使い勝手も抜群でしょう。